『いい人みつけた』

先週の水曜日、TBSラジオの「大沢悠里のゆうゆうワイド」に生出演させていただきました。
もう30年続いている番組です。そんな 「ゆうゆうワイド」にゆかりの人がその週は交代でゲスト出演致しました。私は20年前まで13年間、その中で10分の帯番組を月曜~金曜日に出演いたしました。
浜美枝の「いい人みつけた」というタイトルで、ゲストをお招きしお話を伺いました。最初の1年間だけでも、そうそうたる方をお招きしているのですね。文園社から『ただいまラジオで放送中 浜 美枝の「いい人みつけた」』という本を昭和59年12月1日に初版で出しております。
淡谷のり子・安野光雅・内海桂子・大塚末子・大貫栄子・佐藤直子・篠田正浩・妹尾河童・高石ともや・中山あい子・姫田忠義・柳家小三治・村松友視・・・さんなど、素晴らしいゲストの方々です。
亡くなられた方もおられます。
走馬灯のように、当時のことが蘇えります。
ブルースの女王とよばれる淡谷のり子さんがスタジオにお越しくださったのは”花曇”の日でした。(ノートにその日の天候と印象に残る言葉を綴っておりました)薄曇で生暖かいその日、もうすぐ桜の花の咲く季節。
“クラッシックをもう一ぺん勉強したい。それが私の夢なの・・・”とおっしゃるスタジオには、すごくいい香りがしたのです。黒水仙」とか。フランスにたった一軒あるんですって売っているお店が。淡谷さんらしい素敵な香りでした。
「音大出て、世の中に出ました。クラッシックやってましたけど、レコーディングすることになって、もちろん流行歌ですが、、レコード会社で少しまとまったお金をいただいたのでまず買ったのが香水なの。」
19歳と17歳のご両親の結婚。すぐに生まれたのが淡谷さん。ご苦労されたお母さまについて「あんなできた母っていないですね。こどものときから勉強しろって一度も言わないの、でも読んでいた本は、新しい女のいく道。平塚らいてうさんだとか、ああいう方たちの本をかくして読んでいましたよ。」
「あの母があったから私がいるんだと思いましたね。今でもそう思っています。」
歌に燃えて、歌いつづけて54年。
「戦時中には警官と軍隊に、ずいぶん始末書書いたり・・・慰問にいくのに、モンペはいてクラッシックとか、そんなみっともない姿でステー出られませんから。ちゃんとイブニングドレスで。最後まで何を言われても。非国民だとかいわれてね。」
若輩の私は先輩の仕事をもつ女性としての男性観、結婚観にも興味がありました。一度淡谷さんは結婚したことがあります。
「私ああいうこと嫌い、結婚は。自分が一番大切なの、私は。歌が大切なの。私には主婦の才能がないのよ、あれは才能がいるのよ、みそ汁つくったり、ご飯炊いたり・・・なんてできない。それでね、私はちょっと自分だけが大切・・・それではいけないかと思うんですけどね、自分だけを大事にしたみたいで。ところがね、私は歌い手になったんだから、やっていかなきゃいけないでしょ。私は大体男を追い回すほうなの。追い回している間が楽しいの。今になってみれば、アラ探しをするのがイヤだったのね、きっと。」
・・・・・女性として今まで生きてこられて幸せでしたか・・・・・と伺ってしまいました。
「女であってよかったと思います。男でなくてよかったと思いますね。女だからこうやって歌を歌って生きていかれるのですもの。女性はきれいに生きていける、美しく年をとりたいの、私は。」
39歳だった私には淡谷さんが出された「生きること」を読んでもほんとうのところ、奥深くまでは理解できていなかったでしょう。「生きることは愛すること。全てを愛せるということは、幸せだと思うんですよ。」
肌は白く、艶があって、シワがないのです。天性の美しさに加えて、毎日のお手入れ。女性としての先輩、淡谷さんに大敬服するとともに、その美しさへのひたむきな努力と歌にかける情熱のかけらを、私なりに頂戴したいなと思いました。
淡谷さんの歌 『恋人』。いまだに耳の底に残っています。
歳月を超え、世代を越え、男も女も超えて、一人の女性の人生を通して歌われる歌の大きさ、深さに、ようやく私自身が意味を理解できるようになってきたのかも知れません。
  ゆで玉子むけばかがやく花曇    中村汀女
こうして、先週はたまたま昔の自分自身を知るきっかけをいただきました。
この秋には72歳になる私。
淡谷さんのように背筋を伸ばして、ひたむきに生きていきたいものです。

「『いい人みつけた』」への4件のフィードバック

  1. 箱根が、益々魅力的になる季節が訪れて来ましたね。
    淡谷のり子さん、若い頃はよく理解できませんでしたが、時代の流れが教えてくれました。
    私は、恐れ多くも、浜さんのように生きたいと願っています。
    物質的には出来ない事もありますが、心がけなら出来ると信じています。
    憧れの人が存在するって、人生の励みになります。
    今日も、浜さんスマイル目指して頑張ります!!!

  2. ☆のかけらさん
    ブログへの投稿ありがとうございます。
    過分なお言葉です。
    私など、ごく自然体で生きてきました。
    ただ、ひとつ言えることは”素敵な出逢い”をたくさん
    いただいたことでしょうか。
    仕事がら、それは幸せなことだといつも感謝しております。
    私自身、淡谷のりこさんについてもようやく多少理解できる
    ようになりましたが、『戦争』を身近に感じていない世代です。
    あの時代に、淡谷さんのように毅然とした生き方ができたとは
    とうてい思えませんし・・・これからも前向きに暮らしていきたい
    と思っております。
    初秋の箱根はほんとうに美しいです。
    自然に感謝ですね!
    お元気で!
    浜 美枝

  3. ご丁寧なお返事有難うございます!
    とっても楽しみなひとときです。
    自然体で生きる!
    そうなんですね
    浜さんが多くの人に愛される理由がわかりました。
    又ひとつ、生き方を考えるヒントが出来ました。
    私も、仕事や、FBを通して沢山の素敵な出逢いを頂いています。
    本当に感謝!ですね
    又、素敵な浜さんに逢いに、箱根に行きたくなりました。

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