10日間のイギリスの旅

この季節のイギリスはバラが満開です。


古きよきものを守る頑なまでの保守性。
ビートルズに代表される音楽。
斬新な発想はいつきてもこの国の魅力です。
交通がどんなに渋滞していても、辛抱強く待つ忍耐力。
きっと波乱にみちた歴史がこのような人間性を生みだすのかしら・・・と思いました。
10代の頃からイギリスを、とくに田舎を歩き、ブラック&ホワイトの木組みの家は、箱根の我が家「やまぼうし」にも大きな影響を与えてくれました。
今回の旅の目的のひとつに、美しい季節の田園風景に出会い、その美しさを思う存分味わいたいという気持ちがありました。村や街は丘陵地帯に点在しています。イギリス人が『心の故郷』と呼ぶエリアのひとつにコッツウォルズ地方があります。ロンドンから西へ約200km。オックスフォード郊外から始まり西端はチェルトナム。
美術工芸デザイナーのウィリアム・モリスが”イギリスで一番美しい村・ハイブリー”だと語っています。


清らかな流れに沿って並ぶ家々。水鳥が遊ぶ清流。花々に彩られた石造りの家。何だか、時がとまったような風景です。森と牧草地の緑に囲まれた村々はどこもため息がこぼれ、イギリスのカントリーサイドの美しさを思う存分味わえました。
そして、かつて羊毛産業で栄えた美しい街バースへ。娘が嬉しいサプライズ!私の大好きなベアーとの出会いをセッティングしてくれ専門ショップへ。
出逢えました、可愛いベアーちゃんに。
箱根の我が家に一緒に帰りましょ。


アンティークに囲まれた小さなホテルでの昼食はやはりラム料理。


そして、娘のショップ”フローラル”の買い付けでアンティークフェアが開催されているニューアークへ。途中リンカーンの街に寄り道。この街のリンカーン大聖堂の(夕方なので中には入れませんでしたが)周りを散策いたしました。周辺の家々の庭も手入れされ、花々が綺麗です。


さぁ~、いよいよアンティークフェア会場です。
早朝から初日は開場前からぎっしりの人が並びます。私もアンティークが好きですが、このようなフェアには中々来られないので、もう夢中になってしまいました。


ヴィクトリア時代の陶器、ガラス、古い刺繍の布、その他あらゆるものが並びます。このフェアには国内はもちろん、海外からも買い付けや、個人のアンティークファンもみえます。
歩き疲れてカフェでひと休み。
真夏日のような陽射し、青空が拡がり美しい雲。日陰の風は爽やかな涼気を運んでくれます。


2日間のフェア終了後、ロンドンへ戻る途中で2つ目の私の目的「古いレンガ探し」。広いスペースの広場、倉庫にはレンガ・レンガ・レンガ。歴史のある国ですから想像はしておりましたが、けた外れの量です。地域、年代別、形・・・と最初はその量に圧倒されましたが、目がなれてくると、それぞれの表情があり楽しくなってしまいます。
日本の家屋にも合う、特に古い我が家の民家に合いそうなレンガ探し。見つかりました!約150年前のレンガです。我が家とほぼ同じ年代のレンガはシックで落ち着いています。我が家の庭の隅の小さなスペースにこのレンガを使いたいと思います。イギリスの田舎家と日本の古民家、どちらも違和感なくしっくりきます。


翌日は私がぜひ行きたかったレストラン「ピーター・シャムナーサリー」ヘ。ロンドン郊外にあり、温室を改装したり、温室そのままだったり、足元は土のままです。
花の鉢植えやガーディニンググッズも売っているショップがあります。
私は美しい本を見つけました。”イングリッシュローズ”の本です。


このレストランは以前、今は亡き友人、天沼寿子(ひさこ)さんに始めて連れてきていただいた思い出のレストランです。そのときの感動が忘れられません。
バラの花ビラを浮かせたシャンパンで彼女と乾杯!
“貴女とまたここを訪れたかった”
料理は平目のムニエル・フレッシュトマトとオリーブ添え。


この旅の最後はライの街へ。
その前にロンドンのコロンビア・フラワーマーケットへ。
早起きをしたので朝食はマーケット近くのカフェで。せっかくなのでベーシックなイングリッシュブレックファースト。(でもかなりのボリュームです)


男性が新聞紙に包まれた花を手にしている姿はカッコイイですし、道行く人々が花を抱いて家路につく姿は幸せそうです。バラ、ピオ二ー、アジサイの鉢植えやサボテンなど、市場は活気にあふれていて私まで幸せのおすそ分け。


今回の旅はレンタカーを借りて娘の運転での旅です。
午後からはロンドンから南へ約200km南下してライの街へ。
石畳の坂道と中世の家並み。丘の教会を取りかこむように白壁に黒い木組みの家やレンガの家がぎっしり並んでいます。可愛いアンティークショップもたくさんあり、ついつい覗いてしまいます。
このライの街は12世紀には交易のために良港として発展してきました。宿泊するB&Bは手入れされた美しい庭、馬が放牧されているのどかさ。部屋はブルーを基調に可愛らしいです。これまでもイギリスではこうしたB&Bに泊まっておりますが、だいたい朝食付きで2人90ポンド。
(18,000円くらいです)


ライの街に住む素敵な夫人アン・リンガードさんにお会いするために来ました。夫人も亡き友人のご紹介です。夫人はもと大きなアンティークショップのオーナーで今はリタイアされておられますが、娘のために1年かけてアンティークを集めてくださっています。80歳代の夫人は愛らしい手入れの行き届いた家にひとり暮らし。背筋ののびた生き方に学びます。そう・・・こうして私のこれからの歩む道の足もとを照らしてくださるのですね。


今は亡き友人の三回忌を終えて、こうして思い出の地、イギリスを訪ね、友情に深く感謝した旅でもありました。

「10日間のイギリスの旅」への2件のフィードバック

  1. 浜様
      旅からお元気に戻られた事と思います。イギリスでの写真を見て沢山お福分けを頂きました。素晴らしい旅の様子、想像するだけでも幸せな気持ちになりました。  有り難うございました。
     「地球の歩き方」の最初に買ったのが、イギリス編でしたのに行っていませんので。
     普通のツアーでは味わえない旅ですね。フローラルさんの買い物も
    充実された事と思います。ノッティングヒルも行かれたようで。
     フローラルさんに伺うのも楽しみです。
     東北の震災以来、何回か主人の案で、「電気」「ガス」「水道」を3日間だけ止めて過ごしていますが、(卓上コンロは使ってしまう、恵まれた耐乏生活ですが)。  今朝、通電し、お洗濯を一番に。そして、パソコンを開け、浜さんのブログを拝見しました。
     電気が使える事、何よりと痛感しています。すぐ日常の生活に戻ってしまいますが、「当たり前」に過ごせる事が凄い事という事も実感しています。
     寿子さんのお名前(呼び方は違っても、亡き親友がすぐ近くに来て
    くれたような、何ともいえない気持ちになりました。)  
     旅のお疲れも出てこられるかも知れませんね。どうぞご自愛しつつ過ごされますように。
                                    郁代

  2. 郁代さま
    ブログへの投稿ありがとうございました。
    はい、今回のイギリスでの滞在は有意義でした。
    イギリス人の(一般的に)暮らし方、生き方には学ぶ点が
    多々ございます。
    自立した人間としての姿勢、そして郁代さんご夫妻がなさった
    「ガス・電気・水道」の使わない暮らしは、もう私たちには無理
    ですわね。それを実行なさっていらっしゃるなんて頭が下がります。
    イギリス人の物を大切にした暮らし方・・・は本当に素晴らしいと思い
    ます。
    ”フローラル”の買い付けも娘は頑張って美しいものが沢山買えました。
    アンティークが暮らしの中に定着し、庶民の方々が楽しんで取り入れ
    ていらっしゃるのは羨ましいです。
    今回はイギリスのもっとも美しい季節に訪ねられ幸せでした。
    今日は、箱根「やまぼうし」では柳家三三師匠の落語会でした。
    日本の文化も素晴らしいですね。
    次回のブログにアップいたします。
    梅雨の季節にはいりました。御自愛くださいませ。
                                      
    浜 美枝

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です