映画『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』

素敵な映画を観てきました。
「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」 TOHOシネマズシャンテで。
インドが舞台です。
ごく普通に生きてきた熟年7人の男女が自分の意思でインドへと旅立ちます。
それぞれの事情を抱えてやって来た男女7人。乗り継ぎ便の欠航のため、満員の長距離バスで目的地ジャイプールにようやくたどり着きます。あふれる音・色彩のなかそこで待ち受けていた想像を超えた体験。
監督は「恋におちたシェイクスピア」(98)でアカデミー賞7部門獲得したジョン・マッデン、1949年英国ポーツマス生まれ。キャストは英国の名優たち。

中でもイブリンを演じるジュディ・デンチは最高です。
「恋におちたシェイクスピア」ではアカデミー賞助演女優賞を受賞していますし、「007シリーズ」で上司M役を演じています。

夫が亡くなり自分は無一文だと突然しらされ、少ない出費で長く暮らせそうな
可愛らしいホテルを目指してインド行きを決意するのですが、そこで待ち受けていたホテル・・・・とは。
すべて前向きに受け入れて挑戦していく姿に感動するのです。
主人公は”旅人”です。
「この国は感覚を刺激してくる」・・・と彼女は言います。
とても良くわかります。
私がインド通いを始めたのは10代終わりのころから約10年間でした。
パトナー、ナーランダー、ラージギル、ブッタガヤー、ベナレス、サルナート
おもにインドの北部を周っていました。長距離バスにのり、人で溢れる列車に乗り、ガンダーラや石仏など地方の像を訪ね歩き、終バスが来なくて村の家に泊めてもらったり・・・。
人なつこい人々。貧しくとも、逞しく、くったくない笑顔。
ガンジス河に朝日が昇るのをインドの人たちと拝み、沐浴の意味を考え若かった私に、「人が死ぬ」ことの意味を考えさせてくれました。

映画の舞台はデリーの少し下のジャイプールが舞台です。
ユネスコ世界遺産登録されている美しい・・・というより、エネルギーのかたまりのような街。華麗な寺院、色鮮やかなサリーが溢れる万華鏡のような街。
7名がインドに来て45日が過ぎたころ、それぞれの人生が輝きはじめた
時に突然終わりがきます。
ひとり一人の生きてきた人生。
選択はさまざまです。
私もこの年齢になってみて、この映画のもつ魅力が理解でき、感動し、生きる力をもらい、幸せについて考えました。
なんか・・・いいな~。
忘れかけていた胸の奥の奥のほうの切なさが心地よい映画でした。

「映画『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』」への2件のフィードバック

  1. 「この国は感覚を刺激してくる」
    エネルギーが溢れ、エネルギーを貰う
    人と人とを結びつける「気」が渦巻く
    そして、生と死がすぐそこにある国。
    それがわたしのインド。。。

  2. 理恵さま
    ブログへのコメントありがとうございます。
    理恵さんもインドとの出逢いがおありになるのですね。
    私も多感な10代でインドを経験できたこと、
    そして仏像だけえでなく工芸との出逢いもおおいに
    「感性」を刺激されました。
    浜 美枝

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