英国大使の御庭番

あと1ヶ月余りでロンドンオリンピック!楽しみですね。
文化放送「浜 美枝のいつかあなたと」(日曜10時半~11時)
東京・千代田区にあるイギリス大使館で25年間、専属庭師として美しい庭作りに取り組んだ 濱野義弘さんをお客さまにお迎えいたしました。
1万坪のイギリス大使館の中で、およそ1000坪と最も大きい大使公邸の庭を一人で管理したのち、大使館全体の庭の責任者であるヘッドガーデナーとなり、去年の3月まで従事されていました。
濱野さんは1960年のお生まれ。東京・杉並区のご出身です。
私はイギリス大使館に入ったことはありませんが、千鳥が淵の周辺を、特に桜の季節の散策は素晴らしいです。イギリス大使館の広大な敷地をどんな風に管理され、どんな庭なのかしら・・・と、とても気になっていました。
この度「英国大使の御庭番: 傷ついた日本を桜で癒したい!」(光文社)を濱野さんは上梓されました。

そもそも、どんなきっかけで大使館の御庭番になれるのか?
新聞で見つけた”英国大使館専属庭師募集”の三行広告だったそうです。
当時、25歳の濱野さん。
「親方にも信頼をしてもらい、仕事も忙しく流れてくる仕事を、ただ”こなす”植木屋に慣れすぎてきたいたのかもしれません。このままじゃダメだな。もっと素敵な庭を作りたい」・・・と思われたそうです。
三行の広告が人生を大きく変えました。
「これっきゃないでしょ!」と未知の世界へと飛び込みます、住み込みで。独学で生み出したバラやランの管理、大使夫人は難題を時には持ちかけます。でも、それはそれは美しい大使館の庭を25年かけて作り上げたそうです。
「多くの客人が大使公邸へと向かう途中を、桜を愛でてもらいましょう」・・・と大使。大使館の四季は美しすぎるほどです。特に桜の季節は・・・と濱野さん。
濱野さんが大使館に入った翌年1986年5月8日、大使館に新婚のチャールズ皇太子とプリンセス・ダイアナ妃がやってきました。
日本庭園の飛び石も丁寧に洗ってお迎えの準備。
バラの美しい季節「ダイアナ プリンセス・オブ・ウエールズ」というクリーム色とピンクの覆輪が鮮やかなバラがあるそうですが、間近で見るダイアナ妃は華のあるとてもチャーミングな方だったそうです。
そして、25年の勤務を終えようとした、2011年3月9日。
退職記念に桜の木を植樹しましょう・・・と公使の申し出に感激し土入れを行ったそうです。
翌々日、3月11日 あの大震災が起こります。
濱野さんは現在、福島県南相馬市の私立幼稚園や他の幼稚園に桜を植樹し
これからも傷ついた日本を桜で癒したい・・・と活動をなさっておられます。
子供たちから「さくらをうえてくれてありがとう!」と手渡された写真付きの手紙に「ありがとう。これからも頑張って植えるからね」
そう伝えるのが精一杯でした。と語ってくださいました。
スタジオでの濱野さんの笑顔がとても美しく輝いていました。
放送は6月17日です。
ぜひお聴きください。

「英国大使の御庭番」への2件のフィードバック

  1. 濱野さん。素敵な人生ですね。
    どのような戦地でも,被災地でも、砂漠でも、植物は育っています。
    そして心を癒してくれます。濱野さんの様に自然の手伝い人がいたら、
    もっと人間の心は和む事でしょう。
    大自然の前では人間は本当に無力です。
    人間である私達がそのことをもっと謙虚に受け止められるようになったら、
    もっと世界が変わるだろうに。と

  2. Neferさま
    メールありがとうございました。
    そうですね、濱野さんの生き方には学ばせていただきます。
    「大自然の前では人間は本当に無力」ですね。
    だからこそ、自然には謙虚でありたいと思います。
    濱野さんの「傷ついた日本を桜で癒したい!」
    その想いを皆んなで共有したいですね。
    浜美枝

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