『訪ねちまった中也の故郷』

日経新聞夕刊(11月2日)に詩人・中原中也のことが掲載されていました。
かねがね訪ねたかった「中原中也記念館」
先週小倉での仕事の後、また”寄り道”をして私も「訪ねちまった」のです。
新山口からJR山口線に乗り湯田温泉で下車。
記念館は中也生誕地にありました。
中也の生家は広い敷地をもつ大きな医院だったそうですが、火事で茶室と蔵を残して焼失してしまい、記念館はその生家の敷地の一部に建っています。
入り口には中原家の庭にあった木が残されていました。
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小雨降る日でしたから、かえって落ち着いて拝見できました。
バッグの中に「私はその日人生に、椅子を失くした」をしのばせていました。
(鑑賞解説・高橋順子/小学館)
傷つきやすい魂は、中也節とよばれる。
独特のリズムに乗って、喪失の海をさまよう。
やさしく、やるせなく、時に残酷に。
と書かれています。
記念館には中也の遺稿や遺品を中心にさまざまな貴重な資料があります。
繊細すぎる心と体。30歳の若さで世を去ります。
中也自筆原稿を読み、ようやく私の中の中也が浮かびあがってきました。
かねがね不思議に思っていたことがあります。
中也が眠る中原家の墓石の文字を中学2年の中也が書いたと言われています。
「なぜ中学生の中也が書いたのかしら?」
それも分かりました。
資料館にある中也の文字の美しさ。
きっと大人より美しい文字を中也は書いていたのでしょう。
『帰郷』も好きな詩です。
ああ、おまえはなにをしてきたのだと・・・
吹き来る風が私に云う
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記念館を後にし、中也の眠る墓に行きました。
車で10分ほど行くと  「中原家累代之墓」がありました。
お参りをすませ竹林のある小道を歩いていると手押し車のおばあちゃんとすれ違いました。
中也の故郷・・・をからだごと感じた”寄り道”でした。