残暑お見舞い申し上げます

皆さまはお盆休みはどのように過ごされたでしょうか。
帰省なさった方もいらしたでしょう。
私はどこにも行かず箱根の我が家で過ごしました。
毎朝の山歩きと、荷物の整理をしました。
心と頭の整理が、夜の音楽だとすれば、身体の調整を担っているのは、私の場合、毎朝の山歩きです。ひと晩眠って、前日の疲れがすっきり解消されるのが理想ですが、年を重ねるにつれ、身体がすっきりと目覚める朝ばかりではなくなってきます。
疲れを持ち越してしまう朝があります。でも、山歩きをしているうちに、前日から持ち越した身体のこりや疲れが、不思議なくらいとれていきます。お気に入りの木には、触って「おはよう!」と声をかけ、絶景ポイントでストレッチやスクワットをやって・・・歩いているうちに、心からよけいな澱みたいなものが剥がれ落ち、やがて心も体も活性化してくるのがわかります。
そして屋根裏部屋の片付け。
『必要なものだけを身の回りに』との思いで5年前のリフォームを機に、家を改めて見回したら、子どもたちの部屋はほとんど昔のままだし、袖を通すことのなくなった古いセーターやシャツなどの洋服、小物などがいつのまにかたまっていました。
小さいころの私は長屋暮らしで、余計なものなんて何ひとつありませんでした。生ゴミは裏に穴をほって埋め、使い終わったカレンダーは小さく切ってメモ帳代わりに。鉛筆は持てなくなるまで使いました。物の寿命がつきるまで、使い切る暮らしでした。そうした暮らし方が身についていたので、「捨てる」という行為が、乱暴に思えてなりませんでした。
しかし、子どもたちも巣立ち、静かな暮らしになったというのに、使わなくなったものを抱えていていいものか・・・、60代後半、心身が安定している今こそがチャンス。
2度目の片付けが屋根裏部屋でした。
「わ~ぁ、10代の終わりにギリシャに行った時の写真」
「これはカンヌ映画祭の時」などパネルの数々。
インドに行った時に買った民芸品などまるでタイムスリップしたよう。
子どもたちに手伝ってもらっての整理です。
67歳になり、時は過ぎ行くのだとしみじみ感じます。
思い出は胸の中に。新しい自分に出会うためにも、必要なものだけを身の回りに、そんな思いでの屋根裏部屋の整理をした夏休みでした。