文化放送 「浜 美枝のいつかあなたと」(日曜10時半~11時)
お客さまに小説家の山本一力さんをお迎えいたしました。
山本さんは1948年、高知県・高知市のお生まれ。
家庭の事情で中学3年の春に上京、新聞配達員をされながら中学・高校を卒業。旅行代理店、広告制作会社、商社勤務など10回以上の転職を経たのち、49歳で小説家デビューをされました。
2002年に「あかね空」で直木賞を受賞。
主に時代小説の分野で数多くの作品を執筆されています。
江戸時代に暮らした人々を、そこに暮らしている息吹が感じられ、
私は山本一力さんのファンです。
このたび、書き下ろし長編小説「ジョン・マン 波濤編」(講談社)が発表されました。
幕末の土佐に生まれ、14歳の時、小船で漁にでて遭難。アメリカの捕鯨船に救助されアメリカ本土に渡り10年後に日本に帰国。紆余曲折の人生。山本さんはその万次郎が上陸したアメリカ・東海岸の町をご自分の足で歩き、取材をなさいました。
「その場所に立ち、空気を吸い、風を感じ、捕鯨の町の匂いを感じました」と。
私は万次郎の家族、とくに母への思いを募らせるところなど、胸が熱くなりました。
今回は2本分の収録です。
1本目は「ジョン・マン」を中心にお話を伺い、2本目はご自身の足跡や、「いまの時代」に対するお考えをうかがいました。
スタジオでは身を乗り出すようにお話しくださいました。「年を重ねることはかっこいい」と仰っしゃいます。どんなに人生辛くても「次の日がくるのが楽しみだった」との言葉には、当然、不安な日々も多かったでしょう。
私もよく分かるのです。家庭の事情で進学を断念し、中学卒業後バスの車掌になり、その後女優の道へと進みます。
5歳の頃にはごはん炊きができて・・・
でも、かまどのオレンジ色の炎を見つめていたとき、唐突に泣けてきました。
おいおいと泣いたのです。
なぜかその底知れない哀しみを、よく覚えているのです。
そのとき自覚はなかったけれど深い深い寂しさのようなもの。
「明日が、楽しみ・・・」と自分に言い聞かせ。
番組の中では60代前半の山本さんは、次の世代に「生きる姿勢」を見せたいとおっしゃいます。日本は(大震災からの復興など)底力をださなくてはならない状況にあります。
『江戸の人々に学ぼう』ともおっしゃいます。
素敵なお話を伺いました。
ラジオで是非お聴きくださいね。
(放送・6月19日と26日)
「浜美枝のいつかあなたと ~ 山本一力さん」への2件のフィードバック
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30年近く前に、婦人雑誌で拝見した
浜さんの、古民家暮らし
当時ではとても目新しい発想にただ憧れを抱いただけでした
子育てや生活の変動に振り回され
いつしか忘れていましたが
年を重ねたご褒美でしょうか
再び、浜さんにお会いできました
ホームページで!ですが・・・
年を重ねる喜びを教わっています
うまく言葉で表現できない所を
浜さんが表現してくださってします
いつもありがとうございます
《箱根やまぼうし》は
又行きたいと思わせてくれる所です
ブログへの投稿ありがとうございます。
ここ、箱根は間もなく あじさいが咲き、日ごとに紫の
深まる季節を迎えます。
子供たちは大きくたくましく成長し、わたしの手元から
飛び立っていきました。
この頃は自分の心がつき動かされるほうに仕事を選択
していく傾向も増えてきました。
”人に逢う”・・・仕事であろうがなかろうが、私はこれが
とても好きです。
お逢いした人から多くのことを教えられ、そこからまた、
人の暮らしの深遠をたずね、好奇心は際限なく募ります。
お元気で!