人の絆、そしてコミュニティー

かけがえのない多くの人命と営々と築きあげた暮らしが一瞬にして失われ、数十万もの人々が被災しました。日本観測史上最大の地震であり、第2次大戦直後の困難にも匹敵する災害ともいわれています。
これからもずっと生きていくはずだった多くの人々の無念さ、そしてその家族や友人のことを思うと、その哀しみの重さと深さに胸がつまります。
この小さな島国で、それは私やあなたであったかもしれないのです。
その中で、日本人の行動やモラルに賞賛の声が世界中から寄せられています。他国ならこうした状況下で、混乱に乗じて起きうる略奪や暴力がなく、人々は肩を寄せ合い、礼節を以って互いに助けあっている。
地域共同体が今も生きていたに違いない地域だけでなく、地方の主要都市でもまた、人々は集団を作り、集団が個人を守りつつ、困難さに立ち向かっています。
共同体というものを信じる気持ちが日本人の誰の中にも残されていたということを、はからずも知らされたような気がします。
この国で「人の絆、そしてコミュニティー」は必ず再生できます。
人々の笑顔が輝く日を取り戻すために私たちに何ができるか、ひとりひとりが問いかけてほしいと願います。