映画「クレアモントホテル」

映画「クレアモントホテル」を観てまいりました。
ロンドンの古い街角にある、時代から取り残された小さなホテル。
その小さなホテルでくりひろげられる人間ドラマ。
主人公パルフリー夫人が語ります。
「これまでの人生、私はずっと誰かの娘で、誰かの妻で、誰かの母親だった。だから残りの人生は、私として生きたい」・・・と。
初老の未亡人と青年との出会い。
主人公パルフリー夫人を演じるのは、アカデミー賞ノミネートやトニー賞を受賞したベテラン、ジョーン・プロウライト。(故ローレンス・オリビエ夫人)
原作 エリザベス・テイラー(イギリス人作家)
監督 ダン・アイアランド
青年役にはロンドン生まれのルパート・フレンド
老夫人と青年の心あたたまる交流が描かれています。そこには限りない愛が存在します。孤独と、より良い人生を静かに演ずる主人公の生き方に、私自身の生き方を重ねてみます。
歌手の小椋桂さんがテレビ番組のインタビューに答えておられました。「人生年を重ねれば、坂道を下りてゆきます。ただ、その道を上がり道と捕らえるか、下がり道と捕らえるかで随分違う。もう・・・なのか、まだ・・なのかでも違う」と。
私は、箱根の山を時間が許すかぎり歩いておりますが、ときにはだらだら道を歩いておりますと、足元に咲く可憐なスミレを見つけたり、急な山道を息を切らしながら上がっていると、雲の流れに目を奪われたり、その日、その日の自然を体ごと受け止めている自分に気づきます。
そうなのですね。この映画は、いかに自分らしく行き抜くかを問われているように感じました。そして、最後まで自立して生きる。あきらめない。そこには老いも若さも互いに共有できる愛があるのです。気品ある生き方に感動いたしました。

12月4日(土)より、東京・岩波ホールで公開。
オフィシャルHP http://www.cl-hotel.com/

「映画「クレアモントホテル」」への1件のフィードバック

  1. もうすぐ還暦を迎える(再来年ですが・・・)今の私にピッタリ来る映画のようです。
    離れた所にいても自分と同じ気持ちで
    自分と向き合ってる人がいっぱいいるんだと思うと
    励みになります。
    60年の歳月に誇りさえ感じます。
    失敗も沢山重ねてきました。
    これからもあるでしょう。
    でもその分、感性が豊かになれる私がいます。
    一番いい時期に
    ここで浜さんにお逢い出来て最高です。
    遠い箱根を歩くことは出来ませんが
    ふと気が付けば
    播磨富士と呼ばれる
    《高御位山》(たかみくら)と云う標高300メートルがあり
    電車に乗れば六甲山も近いんです。
    そう、自分の足で自然の恵みを感じとります。

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