新米の季節

「いただきます」という時、私はいつも合掌します。
子育てが一段落した頃、10年間でしたが米作りを学びました。
素人が米作りに挑戦するのは並大抵のことではありません。
けれど、私にはどうしても「作りたい」という意思、そして夢がありました。
私の農業に対する敬意が、作ることで表せるような気がしたから・・・。
まず準備として拠点となる農家を福井県若狭三森に移築。
田んぼをお借りして、地元で農業を営む米作りの名人松井栄治・よし子さん夫婦を師と仰ぎ、農業のイロハから手ほどきいただきました。
近くに佐分利川と鎮守の森。日本の原風景ともいうべき美しいところです。
若狭での農業体験は熱く、力強い日々でした。
師匠の松井さんは減農薬・無科学肥料栽培で見事なお米を作っています。
全国各地のお米好きから注文がくる名人です。
私の田んぼはわずか七畝でしたけれど美味しいお米が収穫でき刈り取りの日、初めて手にしたとき、思わず涙がこぼれました。
「いただきますといって手を合わせるのはね、お米を作ってくれたお百姓さんやお日さまに感謝するためなのよ」・・・と母や祖母に言われたものです。
実際、農業ほど、暮らしと密接に結びついている生業はありません。
「食べるということは生きること。食は命そのもの」
そして、環境。
土の力、水や日光、森、雨、風・・・すべて、農を支えるもの。
水田の農地は、水をたたえることで保水の役割をはたすなど、自然の景観の一部をにない、自然をサポートしていたりもします。
「農」を考えることは、何より、未来を考えることではないでしょうか。
その農村の、日本の原風景が大きく変化している今日です。
この季節、ご飯がいっそう愛しくなります。
お米の力ですね。艶と適度な粘り、ほのかな甘み、噛むほどに味わい深い若狭・松井さんのお米。
「浜美枝のひとめぼれ」は松井さんが1ヘクタールほどの田んぼで「安全」と「安心」を心がけ作ってくださいます。宜しければ召し上がれ。
詳しくはHP「正直な作り手の味」にアクセスしてください。
http://www.mies-living.jp/honestfood/hitomebore/index.html