イギリスへの旅 ~ Part2

今回の旅は先週も載せましたように、10月からオープンする「やまぼうし」のアンティークショップの買い付け。と言っても小さなショップ。こちらは娘の担当です。友人の天沼寿子さんのご案内で、ライやペトワーズの美しい田舎街へ私はバカンス気分です。

どこも印象的でしたが、中でも素晴らしかったのはピーターシャムナーサリーでのランチ。ガラスの温室の中で昼食。足の下はもちろん土。ダリアが満開で、あまりの素敵さに天沼さんとシャンパンで乾杯!
電車でロンドンに戻ってきました。

はじめは中心から少し離れたハムステッドのB&Bに宿泊しました。
小さいけれどスタッフも優しく家庭的な宿でした。

最後の日だけは、ロンドンの中心、コペントガーデン近くにあるとてもお洒落なホテルへ。「お互いこれまで頑張ってきたのですもの・・・1泊ぐらいちょっと贅沢しましょう!」と。
インテリアがとても素敵なホテル。
ここでのイングリッシュ・ブレックファーストは素晴らしかったです。
食事中、室内がざわざわ・・・ある有名な俳優さんが入っていらして隅のほうで食事をしていらっしゃいました。
ロンドン・・・といえば、たくさんの思い出がつまった街です。
もう、43年も前のことになります。
映画「007は2度死ぬ」の撮影で約7ヶ月滞在した街。
この007の経験は降って湧いたような、おとぎ話のような経験でした。
私の22歳から23歳にかけての仕事でした。
ショーンさんは当時、30代半ばくらいだったでしょうか。
まだ若かった私にとって”おじさま”という印象でした。
苦労なさった方でしたから、スタッフにも私達にも絶えず気をつかってくださいました。
ただ、辛かったことは007に出演する女優はロンドンでも最も由緒ある「ドーチェスターホテル」に泊まることになっていました。女王陛下もお泊りになるようなホテルでしたから、ジーンズで入るなんてとんでもない。きちんとハイヒールを履いていなければなりません。当時のイギリスでは、格式というものがとても厳密だったのです。
その上、私には英国の映画に出演するにあたって、いかめしい英語の教師がつきました。毎日、毎日レッスンが終わると泣きべそをかいていましたっけ。とうとうストを起こし、ホテルを台所付きのフラットに変えてもらうこと。英語の先生を若い女性に変えてほしいと訴えました。
それでハイドパークの近くに移りました。
ようやく自炊生活をすることが出来ました。
でも、「ドーチェスターホテル」での忘れられない思い出。そう、悲しくなってロビーに下りて行きボーとしていた時のことです。回転ドアが回り美しい女性が入っていらっしゃいました。辺りをオーラが輝き笑みをたたえた女性(ひと)・・・は、オードリーヘップパーンさんだったのです。
「なんて美しいの、なんてエレガントなの・・・」
悲しさなんて飛んでいってしまいました。
と、ロンドンにはたくさんの青春時代の思い出がつまっています。
ホテルの内装はすっかり変わりましたが、ロンドンに行く度にホテルの前に佇む私がいます。

今回感じたことは、ロンドン市内にオーガニックを扱うショップやカフェやレストランが増えたこと。そこには単なる流行ではなくきちんとしたポリシーがあること。そこが素敵です。しかも、しっかりした味、お洒落なディスプレイ、健康な土、太陽、水。世界的に地産地消の時代になってきたのでしょうね。

最後はスコーンと紅茶のクリームティーでお茶をし、機上の人となりました。