紅葉が深まる箱根にて

12軒の古民家を譲り受け、1本の木も無駄にしないようにと、作り上げた箱根の家。
この家に住み始めてから、30年以上の年月が流れました。4人の子どもたちも、それぞれ自分が生きる道を求め、社会に巣立っていきました。
今、箱根の家は、大人だけの静かな空間になり、また新たな表情を見せてくれています。
2年前からは、長年親しくさせていただいている京都「ギャルリー田澤」主催の展覧会も大広間で開催するようになりました。それらの会を重ねるたびに、「他にはない、この家をもっと活用して欲しい」「人々が集えるサロンを開いて欲しい」という声が、驚くほど多く寄せられました。
皆さまの声に背中を押され、振り返ってみますと、確かに、箱根の家は、家族が暮らすためというだけではなく、当時、壊され消えていくだけだった古民家がしのびなく、その美しさを何とかとどめ、次世代につないでいくことができないかという思いで建てた家であったことに、改めて気がつきました。
同時に、この箱根の家をこれからもっと活用することが、私に与えられたもうひとつの役目のような気がしてきました。
来年の春に向け、少しずつ始動していきたいと考えています。
明日に向かう力を呼び込むような、あるいは日常に彩が戻ってくるような、素敵な企画が生まれましたら、ご案内させていただきます。
写真はとある旅企画でお越し頂いた皆さまと。多くの方とより上質で、有意義なひと時を過ごせれば、と思っております。