“福本潮子 しつらえの布 展”

“福本潮子 しつらえの布 展”
を我が家の箱根で7月21日から30日まで開催いたしております。
恒例となった、京都 ”ギャルリー田澤“の主催です。
今回の展覧会に寄せて、福本潮子先生は「私は民藝を新しい感覚でとらえて、現代生活の中で生かしたいと考える。日本の風土から生まれた伝統的な感覚を、コンテンポラリに展開したい」と仰っておられます。
“ギャルリー田澤”の西洋骨董と布、そして我が家、三者のコラボレーションは胸の高ぶりを抑えられないほど魅力的です。「民藝」はたえず進化しつづけております。

私の憧れの京都は祇園祭も終わった夏の夕暮れとき。風もはたと止んで、明るくもなく暗くもなく、倦んだような空気があたりを埋め尽くす時間があります。空気や木の葉、人影、川の流れすらも、そこに佇んでいるような・・・だれも動かない午後。
京都に住む人は水やりの加減と時間についても、一家言持つ人が多いのです。
へたな時間に水を、それも不細工に撒いてはいけないのです。その辺りの息づかいをみだすと、たぶん、江戸でいう「野暮」というような、無言の非難がどこからともなく押し寄せるのでしょう。
余所者の私達が地団駄ふんでも追い付けない領域・・京都。それが今回の展覧会です。
今回の展覧会は潮子先生の布への想いと、田澤ご夫妻の何層にも重なった「美」への感性は息をのむほどです。
「美」を価値とするところには平和があることを、芸術家はそれを使命としているにちがいありません。
愛は美を呼び、美は愛を生む・・・そんな展覧会です。