NHKラジオ深夜便「大人の旅ガイド・ラリックに咲いたシーボルトの”和の花”」

箱根の山がふんわりと山ぼうしの花でおおわれる夏、
見事な開花は十年に一度とか。
我が家の庭のヤマボウシ・・・今年は見事に咲き誇っております。
そして、秋には実がイチゴのように赤く熟します。特にヤマボウシは芦ノ湖周辺に多く見られます。
今夜ご紹介するのは箱根。
たしか、昨年の夏もご紹介したと思うのですが、今年は春から夏にかけて素晴らしい企画展が開催されております。
箱根ラリック美術館では今、
『ラリックに咲いたシーボルトの「和の花」』という企画展が開催されています。
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江戸時代後期に来日したオランダの医師フランツ・フォン・シーボルトは、日本の植物を広く海外に紹介した人物。弱冠27歳のシーボルトは鎖国下の日本にやってきました。
そして、シーボルトは来日して3年目、陽春4月7日、沼津から、美しい富士山を眺めながら箱根越えをしたとか。その箱根でも植物採集を満喫したようです。
植物採集するシーボルトの姿が目に浮かびます。
一方、19世紀末にはジュエリー作家として、20世紀に入るとガラス工芸家に転進したのがルネ・ラリックです。
この企画展では、シーボルト時代から70年を経て、ラリックが日本の植物をどう開花させたか・・が見事に読み取れる素晴らしい企画です。
日本の美しさは”大人の目”があってはじめて花開きます。今回の企画展はそれにじゅうぶん答えてくれます。
ラリックの作品が大好きな上に、同じ箱根に住まいとする私にとって、今回の企画展は皆さまに、是非ご紹介申し上げたいと思いました。
ラリックがお好きな方はもちろん、植物やジュエリィーに興味のある方、ヨーロッパと日本の関係に関心のあるかたなど、多くの人に様々な角度から楽しんでもらえるはずです。
展覧会の主役は日本原産のテッポウユリ、がまどろむような表情・女性を包み込むように咲いている姿をブローチにした「ユリの女」。7月下旬から8月にかけてこのユリを箱根で見ることができます。
そのほかにも菊や藤、桜、松・・・など、日本の植物をモチーフにした繊細な作品数多く展示されています。解説によると、デザインされているものであっても、それぞれの種を特定できるほど明確に植物の特徴をとどめているのだとか。
ラリックが日本の植物をじっくりと観察し、作品を作りあげたであろうこと、ジャポニズムと呼ばれる日本文化が流行していた当時のヨーロッパ、さらにはそのラリックの作品を今日本で見られる不思議さ。そんな風に想像を広げながら作品に接するのも、味わい深いものです。
企画展示室ではお気づきになられるかもしれませんが、ほのかな香りがただよってきます。テッポウユリ、ウメ、フジの花から天然のエキスを抽出して会場はとてもよい香りがします。
今回の企画展は箱根町立箱根湿生花園とコラボレートしており、湿生花園内25箇所にラリック作品の写真と解説がついたプレートが設置され、作品に登場する花々が実際に咲く姿をみることができます。
そして、この夏の箱根では、長かった梅雨も明け、様々な色鮮やかな花に出会えます。コオニユリ、ヤマユリ、レンゲショウマ、ミソハギ、シシウド、コバキボウシ、等など。可憐な花を見ることができます。
不思議ですね・・・。こうした可憐な花を愛でるときの皆さんのお顔には笑みがたえません。
そして、この時期は箱根全山”フラワー美ジェットキャンペーンが開催されております。数ある花の名所を訪ね、美術館を訪ね、箱根の奥深さを堪能していただきたいのです。
箱根湯本駅からあじさい電車で(箱根登山電車)強羅までも素敵です。車窓からあじさいをお楽しみください。約10、000株のあじさいが咲き誇っております。
箱根美術館箱根強羅公園彫刻の森美術館箱根ガラスの森、そしてラリック美術館湿生花園、お時間のある方は、観光船に乗って元箱根へ。
成川美術館では「花物語・極上の名画たち」が9月11日まで開催されています。
旅の足
箱根へのアプローチはさまざまです。
新宿から箱根湯本まで・・・小田急ロマンスカーで85分
新宿から箱根桃源台まで・・小田急箱根高速バスで約130分
湯河原から箱根町まで・・・箱根登山バスで約55分
三島から箱根町まで・・・ 沼津登山東海バスで約50分
箱根強羅・仙石原地区の観光スポットを施設めぐりバスが便利です。ただし夏の箱根は渋滞があり、そこはご理解ください。  
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