「美の里づくりコンクール」~こんなに美しいむらがありました

昭和61年にスタートした「農村アメニティーコンクール」から19年。
装いも新たに「美の里コンクール」がスタートして今回が第3回目。
主催
農林水産省
都市と農山漁村の共生・対流推進会議(オーライ!ニッポン会議)
(財)農村開発企画委員会
私は1回目から審査委員として参加しております。表彰対象は、農村漁村の美しい景観を生み出す活動や取り組みをしている団体です。
今回、農林水産大臣賞を受賞したのは福井県越前市 安養寺町(あんようじちょう)です。
“自然を奏で、未来を創造するまち”・・・をキャッチフレーズに、素晴らしい活動をしています。
集落内に自生する「さぎ草」を守り育てる活動、「さぎ草王国」、地域住民と市民とともに里山の保全活動を行う、「郷の森・里楽(りらく)」、恵まれた自然を生かした保全活動は地域住民の想いがあればこそ・・・できるのです。
住民が一丸となって取り組んできた活動が今回の受賞につながりました。
森づくり活動・ビオトープづくり・ため池整備・遊歩道整備・小学生も巻き込んだボランティアによる無理のない活動。けっして派手ではない地道な活動は今の時代、もっとも必要とされています。
私がこの町を訪ねたのは晩秋のころ、静かな佇まいを見せるこの集落には爽やかな風を感じ、人々の優しい心が伝わってきました。
作業にあたっては、
〇 機械を入れない、基本は手作業で!
〇 自己責任で行動を!
〇 持ち込まない、持ち出さない!
〇 ゆっくり、ゆっくり無理なく作業!
をキャッチフレーズに取り組んでおられます。
集落内に生息する絶滅危惧種の「アベサンショウウオ」「ハッチョウトンボ」などの保護活動も積極的に行われています。
表彰式に臨まれた方々のなんて素敵な笑顔。
「今日、東京に来るまで、『まさか・・・』と信じられませんでしたけど、喜びと同時に、これからの町づくりのプレーシャー(笑)になります。10年ほど前、若者たちが町に出て行くのに、何とかせないかん!との思いが集落の個人個人に生まれ”遊び心でやろう!”との思いからスタートしました。しかし、どんなに頑張っても山の中はゴミ捨て場になってしまう・・・困ったものです」・・・と。
日本列島全体でみますと、空洞化する集落が増えています。
耕作放棄地も広がってきました。
「限界集落」という言葉に抵抗を感じつつも、中山間地域に占める限界的・危機的集落はグローバル化の流れにのみこまれそうです。
そんな時代だからこそ、安養寺の皆さん・・・ありがとう!と申し上げたくなります。
子供たちが植えた”ひまわり”に未来を託したいと思います。