ラジオ深夜便 第1回

月に一度、NHKラジオ深夜便の「大人の旅ガイド」のコーナーに出演させていただくことになりました。深夜11時20分から早朝までゆったりとしたテンポで大人のやすらぎ時間を感じることの出来る番組内の0時半から約10分間のコーナーです。
4月18日の回では、新潟県柏崎市高柳町(たかやなぎちょう)をご紹介させていただきました。高柳町は、新潟のほぼ中央、十日町と柏崎の中間に位置する山間地域です。平成17年5月1日に高柳町と西山町が合併し新しい柏崎市が誕生しました。
私が初めて高柳町を訪ねたのは15年ほど前のことです。「じょんのび村」とも言われるこの町は、「じょんのび」というお国言葉、「ゆったり、のんびりして芯から心地がいい」が表す通りの場所でした。
茅葺環状集落である荻の島集落は、私の大好きな場所です。山や林、中央の田んぼが一体となってまるでひとつの生命体のようです。四季折々の美しい風景とそよぐ風、そして、美味しいコシヒカリ。お水が美味しいからでしょう、お豆腐も美味。ほんの数日の滞在でも故郷に帰ったようなそんな気持ちにさせてくれます。その美しい景観は「棚田百選」にも選ばれています。この美しい地域には「農」を営む機能と豪雪を克服する知恵がたくさん詰まっているのです。
「なんていい風が吹いているの」と思ったのが第一印象です。当時経済優先から生活優先へ、さらに生活の質の向上を目指して、町民が一丸となってまちづくりに励んでおられました。町民が、この町に生まれ、住み続けていることを誇りに思っている。豊かな自然や生活文化の伝承が根付いているからでしょうか、「住んでよし・訪れてよし」の町づくりを感じるのです。
高柳町内にある門出(かどいで)和紙(わし)工房(こうぼう)「高志(こし)の生紙(きがみ)工房」では、今からおよそ450年前、信州から伝わったとされる門出(かどいで)和紙を漉くだけでなく原料のコウゾの栽培もしています。見学だけでなく事前に申し込みをすれば、体験することも出来ます。
からむしギャラリー、風(かぜ)の座(くら)、ブナ林など、他にも訪れたいところはたくさんあります。
お泊りのお宿は、じょんのび温泉で。ゆったりとした里山風景を満喫できる農村リゾートです。
東京からは、上越新幹線・越後湯沢から上越線・まつだい駅。
上越新幹線・長岡から信越本線・柏崎駅。
また、東京から柏崎間は高速バスも出ています。そこからは、路線バスで高柳町まで。
柏崎では、木村茶道美術館もおすすめです。情緒漂う日本庭園「松雲山荘」の中にあり国宝級の展示品でお薄をいただくことが出来るのです。
紅葉の名所としても知られていますので、私も次回は紅葉の時期に伺ってみたいと思っております。
次回は、5月16日の深夜0時半頃出演予定です。宮崎県の美しいあじさいの里をご紹介いたします。週の真ん中、静かな夜をご一緒出来れば嬉しいです。