花図鑑-朝顔


『朝顔』
先日、若狭の家にいったら、その軒先に、朝顔が花をいくつもつけていました。こぼれダネから芽をだしたのでしょうか。気がつかず、支柱もたててあげなかったので、地面をはうようにツルを伸ばしていました。でも、それだからこそなおのこと、野のたくましさと、花の可憐さが際立って、感じられました。
朝顔は奈良時代の末期に中国からもたらされたとか、朝鮮の百済から持ち込まれたとかいわれています。最初は薬用として栽培されていたのですが、江戸時代の文化・文政年間(1804~30)には品種改良に人々は熱狂しました。朝に開いて、昼にはしぼんでしまう朝顔に、町民から武士、僧侶にいたるまで、夢中になって、争うように朝顔を求めたといわれます。日本人の心をつかむ何かを、この花はもっているのかもしれません。
「朝顔に つるべとられて もらひ水」 加賀千代女
ヒルガオ科
昼顔(ひるがお)科。
花言葉は「愛情・平静」